クレイ舗装の設計内容が変わる!なぜ今「機能規定」の数値化が求められるのか?【前編】

こんにちは!ヘルシー・スポーツ建設㈱です。
学校のグラウンドや公園の園路、スポーツ施設などで広く採用されているクレイ舗装(土の舗装)。自然な風合いや足腰への優しさが魅力ですが、一方で「雨上がりの水たまり」や「泥濘(ぬかるみ)化」「砂ぼこり」といったトラブルに悩まされてきた歴史もあります。

これらの課題を解決するために、現代のクレイ舗装設計において非常に重要視されているのが「機能規定」という考え方です。今回は、設計図書や特記仕様書に明記すべき「機能規定」の基本と、クレイ舗装の品質を左右する2大指標について解説します。

グラウンド整備設計の「仕様規定」から「機能規定」へのシフト

これまでの一般的なグラウンド舗装工事では、「どの材料を、何センチの厚みで、どう施工するか」という手順を指定する「仕様規定」が主流でした。

しかし、現地にある土の性質は地域や場所によって千差万別です。同じ手順で施工しても、同じ品質になるとは限りません。そこで生まれたのが、完成したグラウンドで満たされるべき施工方法で「品質や性能」を数値化して指定する「機能規定」です。

これにより、「利用者が安全に、快適に使える性能が確保されているか」を客観的に認識できるようになります。

グラウンド整備設計の特記事項(仕様書)に必ず盛り込むべき「2大機能規定」

高性能なクレイ舗装(土壌改良工法)の特記仕様事項において、軸となるのが以下の2つの機能規定項目です。

硬度(弾性・クッション性)

グラウンドの「硬さ」は、利用者の安全性と利便性の向上に直結します。

  • 数値目標の目安:プロクターニードル貫入試験機による測定で、運動に適した標準値とされます。
  • 機能規定としての目的: 硬すぎて足腰を痛めたり、逆に柔らかすぎて泥濘化(ぬかるみ化)したりしないよう、文部科学省が定めるクレイグラウンドの硬度基準に基づいた安全性を担保します。

透水性(透水係数)

雨上がりにいつまでも水が引かないグラウンドでは、施設の稼働率が下がってしまいます。

数値目標の目安: 設計図書において、目標とする透水係数「例:室内試験(JIS規格に順ずる)1×10-2cm/sec以上など」の数値的指定がされます。

機能規定としての目的: 降雨後、表面水を速やかに地中へ浸透させ、水たまりやぬかるみの発生を抑制・解消。グラウンドの早期再利用を可能にします。

 

透水性保水型工法 特記事項例

数値化こそが計画・設計通りのグラウンド整備工事実現への安心な指針になります。

クレイ舗装における機能規定とは、発注者様や設計事務所の担当者様や完成後の施設を利用される方々がそれぞれ求める品質のコミットメントそのものです。

  • 透水性 水はけ(雨に強いグラウンド)
  • 硬度 運動のしやすさと安全性

この2つを明確な目標値として設計に落とし込むことが、失敗しないグラウンドづくりの第一歩となります。

しかし、残念ながら現場の実務においては「せっかく設計指定したのに、発注者や設計担当者の意に反した、数値的根拠に乏しいにも関わらず施工請負企業が施工段階で安価な類似品に置き換え(同等品変更)されてしまい、期待した性能が出なかった」というトラブルが後を絶ちません。

後日更新予定の【後編】では、こうした残念で不誠実な「同等品変更(OEM対策)」を防ぎ、設計通りの品質を確実に守るための特記仕様書の書き方について詳しくご紹介します。

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