クレイ舗装のグラウンド整備計画中の設計会社様から貴重なご質疑を下記のようにいただきました。現在、検討中の企業・自治体の設計担当者様の参考になればと思いブログ記事として掲載します。
ヘルシークレー工法では、以前、サンプルで透水効果を実施いただいた際、非常に速やかに改良土へ透水されておりましたが、実際には表面排水率はどの程度になる見込みでしょうか?土壌へ速やか吸水され、表面排水率が低い場合、暗渠排水による処理の割合が大きくなるため、地表面の勾配はそれほど影響しないのではないかと考えております。(表面勾配が緩すぎると水たまりができるのでは?という意見があったので、教えてください。)
ヘルシークレー工法による保水・浸透効果について
ヘルシークレー工法で改良された地盤(厚さ10cm)は、平均20リットルの水分を保水します(某高専による調査)。
この保水能力を超えて飽和状態になった場合、余分な水分は暗渠排水管へ浸透します。浸透量の目安は以下の通りです。
- 春~秋季(6月~10月頃): 平均17mm/時
- 冬~春季(11月~5月頃): 平均7mm/時
(某大学による試験結果)
降雨量の目安
- 弱い雨(1mm~5mm/時): 地面が十分に湿る程度です。
- 通常の雨(5mm~10mm/時): 雨音がはっきり聞こえ、すぐに水たまりができ始めます。
- やや強い雨(10mm~20mm/時): 雨音で会話が聞き取りにくくなるほどで、すぐに水たまりができます。
ヘルシークレー工法の透水性について
以前、当社代表が実証したヘルシークレーの透水試験では、固化材などを加えずに締め固めも行わない状態で土壌改良を行い、透水性の変化を確認しました。
実際の透水量は上記の各数値に近い値となり、雨や散水による表面からの透水も同様です。ただし、この透水量を超える降雨も日常的に発生するため、表面排水設備などへの排水を併用することが望ましいと考えられます。※ヘルシークレー層の保水量が飽和状態でない場合は、表面からも透水・浸透力と量は増します。
未改良の一般土壌との比較
土壌改良されていない一般土壌(土質による)は透水率が低く、土と水が混ざることで泥水が排水溝へ流れ込みやすくなります。これにより、表土の流出や、経年による排水溝の土砂埋没が発生する可能性があります。
グラウンドに残った雨水は泥濘化し、さらに水はけを悪くするだけでなく、表面の凹凸や砂埃の発生を助長する一因にもなります。また、暗渠排水管への浸透はほとんど期待できません。
ヘルシークレー工法の特長
ヘルシークレー工法は、土と水分を別々の構造(団粒化)にすることで泥濘化を抑制します。これにより、表面排水時に排水溝への土砂流出を抑え、暗渠排水管へはほぼ水分だけを浸透させることが可能です。この効果は経年劣化が少なく、平均10年後でも約70%の効果を維持します。
ヘルシークレー工法で施工されたグラウンドは、適切な表面勾配が確保され、表面排水溝や暗渠排水管が本来の役割を最大限に発揮します。
したがって、排水勾配を含め、表面排水溝、暗渠排水管、そしてヘルシークレー工法を組み合わせることで、より効果的なグラウンド環境を構築できると考えます。
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